超音波探傷試験は、超音波を試験体内部に伝播させて、傷から反射した超音波の強さと反射する範囲を元に、傷の大きさや形状を推定することによって、試験体の評価を行うものです。構造物や部品の内部に潜む欠陥(割れ、空洞、剥離など)を検出する非破壊検査の手法のひとつで、鋼はもちろん、アルミ・ステンレス、鍛造品、鋳造品、コンクリートにも対応します。検査は非破壊で行えるため、対象物の性能や形状を損なうことなく、欠陥の早期発見を実現します。

特に、車軸やギアシャフトなどの車両部品や、鋼床版、Uリブなどの橋梁構造材、さらにはレール溶接部分に至るまで、幅広い分野で活用されています。GFRPやCFRPといった複合材料にも適用可能であり、軽量かつ強度が求められる部品の品質保証にも寄与します。

超音波探傷試験では、縦波や横波に加え、SH波、ガイド波などのような特殊な音を活用します。これらを用いることで、対象物の厚さ(板厚、肉厚)や欠陥の位置、深さを高精度で特定することが可能です。また、帯域の広い超音波を使い、対象物に最適な周波数での検査を実現します。

鋼板巻き超音波探傷試験
鋼床版探傷
コンクリートUT

超音波探傷試験は、その高い汎用性から、さまざまな産業で採用されています。例えば、鉄道分野ではレールや車軸の欠陥検査に加え、軌道モーターカーやマルチプルタイタンパー等の保線車両の安全性確認にも役立っています。また、ボイラーや減速機といった機械装置の溶接部分や歯面等の部品の健全性検査にも欠かせません。

さらに、特殊車両においても、超音波探傷試験が適用されています。これにより、部品や構造材の寿命を延ばし、事故を未然に防ぐ効果が期待されています。
GFRPやCFRP、コンクリートなどの複合材料への適用も進んでいます。

超音波探傷試験を支える技術には、積層振動子やバッキング材などの高度な装置部品があります。また、フィルターや高性能接触媒質といった特性を活かし、不要なノイズを排除して精度を高める工夫が施されています。これらの技術的要素により、検査対象に応じた最適化が可能です。

超音波の信号特性も重要な要素です。スパイクやスクエアーパルサーを駆使し、欠陥の特定や精密な測定が行われます。さらに、インピーダンスや共振周波数の調整により、検査の効率化と正確性が向上しています。

また、検査手法としては、板厚や肉厚の測定をはじめ、ジャンカやコールドジョイントといったコンクリート施工不良の検出、鋼床版の溶接部分の健全性確認など、多岐にわたる用途が挙げられます。特に鋼構造物や鉄道部品では、広帯域超音波を用いることで深傷部分の検出を実現しています。

精密板厚探傷